足が速くない選手のディフェンス論

足が速くない選手のディフェンス論

こんにちは。

サッカーは「深く狭く」掘り下げたいアラサーライターの蹴道浪漫(シュウドウロマン)です。

今回は、足が速くない選手のディフェンスについて考察します。

体の特徴に合わせたプレースタイルの構築

身長が低かったり、足が遅かったりすると、サッカーにおいては不利になることが多いです。小柄な体格を活かしたプレーは存在するものの、足の遅さを活かせるプレーというのは存在しません。

しかし、足が速い順に良いサッカー選手かというと、当然そんなこともないわけです。それでは、サッカー界で名を馳せるのは、どのようなタイプの選手なのでしょうか。

私は、「自分の体の特徴に合わせたプレーができる」のが、良いサッカー選手だと考えています。ここでは、足が速くないディフェンダーにとって大切なプレーについて、考察します。

スライディング

自分より足が速い相手選手と「よーいドン!」の状態になった際に、有効なのはスライディングです。特に、効果的なのは、自分よりボールに近い位置にいる相手選手に対する斜め後ろからのスライディングです。ファウルになるリスクはあるものの、一度成功するとやみつきになります。タッチライン際での攻防では、最悪失敗してもレッドカードになったり、失点したりする可能性は低いです。

次に、おすすめしたいのはシュートブロックとしてのスライディングです。これは、ファウルになるリスクはほとんどないため、日ごろの練習から実践すると良いでしょう。

あえて、相手選手に対してゆっくりとアプローチを仕掛けて、シュートを打つタイミングでギアチェンジ。ボールの軌道に対して、自分のすねから膝のエリアを当てに行くイメージがあると、大抵はうまくブロックできます。相手がキックフェイントをかけてきた場合も想定して、すぐに2発目のスライディングをだせるように、怖がらずにギリギリまでボールを見ることが大切です。

決定的なピンチをスライディングのシュートブロックで阻止すると、試合の流れを自チームに持ってこられます。ディフェンダーが得点以外で、もっとも脚光を浴びる瞬間だと言えるでしょう。

しかし、小柄な選手にとって、スライディングは有効な個人戦術ではあるものの、一人で練習するのは難しいのも確かです。チーム練習において繰り返す必要があるものの、相手に怪我を負わせる可能性もあるため、まずはシュートブロックのスライディングから始めると良いでしょう。

予測

相手選手が自分より足が速かったとしても、動きを予測することによって、冷静な対応ができます。サッカーで大事な3つのスピード、走るスピード、パススピード、考えるスピード。

この内、考えるスピードが早ければ、多少走るスピードが遅くても、十分補えるのです。それでは、具体的に何を予測すれば良いのでしょうか?私は、大きく3つ考えておけば良いと思っています。

まずは、相手選手の動きです。どの方向にどれくらいのスピードで動いてくるのかを予測しておきましょう。特に、方向をイメージするのは重要です。多少、スピードに変化を付けられても慌てずに対応できます。

次に、相手チームが保持しているボールの動きです。ボールホルダーの動きに目を向けて、次にボールを蹴る方向と軌道を意識しておきましょう。特に、自分が守っているポジションにパスが来そうな場合は、ポジショニングを気にする必要があります。

最後に、自チームがボールを保持している場合、ディフェンダーは常に最悪のケースを想定しておくことが大切です。つまり、相手にボールを奪われてカウンター攻撃を受ける状況をイメージしておくべきなのです。特に、センターバックはカウンターに備えて、ポジショニングを微調整しておくと良いでしょう。

いずれにしても、予測する力は経験によって養われます。日頃の練習や試合だけではなく、チームメイトが出ている試合をグラウンドの外から客観的に見ることによって、予測する力に磨きがかかります。ボールを扱わなくても、サッカーがうまくなる方法はあるのです。

タックル

スライディングや予測と合わせて、足が速くないディフェンダーに大事なのはタックルです。具体的には、相手が走り出す前にタックルを仕掛けることが大切です。少しでもバランスを崩せれば、スピード勝負で優位に立てます。

特に、自分より体格で勝る相手との勝負の場合、ある程度ハードなタックルを決めてもファウルになりにくい傾向があります。試合が始まった早い段階で、一度強めのタックルを決めて、審判がファウルにするかどうかの線引きができると理想的です。

また、自分より大柄な選手と体をぶつけ合う場合、低い重心で勝負できるというメリットがあります。逆に言うと、自分より小柄な選手にタックルする場合には、重心を低くしたうえでファウルには細心の注意を払う必要があります。

タックルについては、個人で実践的な練習をすることはできません。しかし、日頃からバランス感覚を養うトレーニングを継続する中で、着実に力が身に付きます。体をぶつけるタイミングは、チーム練習で試行錯誤することが必要です。

もちろん、一歩間違えると相手に大怪我を負わせる可能性もあるため、背後からのタックルは厳禁です。ファウルと背中合わせのプレーであるため、練習の段階では強度を抑え目にする等の工夫を凝らしながら、自分の体格に合わせたタックルの入り方を探ると良いでしょう。

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蹴道浪漫(シュウドウロマン)

蹴道浪漫(シュウドウロマン)

サッカーの試合そのものよりも、背景のマニアックな部分に興味がある、昭和の最後に生まれたアラサーライター。ほとんどのものを、「浅く広く」知りたい派だが、サッカーは「深く狭く」掘り下げたい。そのため、気になる選手を見つけると、深追いするのが常。最近のお気に入りは、安部裕葵。結婚したばかりではあるものの、嫁はワールドカップよりオリンピック派で、既にすれ違い気味。

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